Katsuの中小企業診断士として自立までの道のり

中小企業診断士に関するさまざまなことについて記事にします。(時に脱線しますがご容赦ください)

KABU&のビジネスモデルの限界はあるのか?株価と事業価値の関係性

KABU&、すでに利用している方も多いのでは?

実は私も本を購入し、株式引換券を200枚保有しています。株式への引き換えって、ちょっとワクワクしますよね。

ただし、このビジネスモデルには一定の限界があるとも感じています。今回はその構造について、少し深掘りしてみましょう。


KABU&のビジネスモデル

ご存じの通り、KABU&のサービスを利用すると、ポイントの代わりに「株式引換券」がもらえる仕組みになっています。通常のサービスでは、利用者にポイントやキャッシュバックが提供されるケースが多いですが、KABU&はそれを“株式”という形で還元しているのが特徴です。

この株式引換券に魅力を感じるユーザーが多く、サービス利用の動機付けとなっているようです。

ただし、サービス自体は他社の提供する既存サービスをKABU&のブランドで窓口化しているもので、価格や内容に大きな差はありません。つまり、KABU&の収益源は他社サービスの「仲介料(手数料や販売促進費)」に依存していると考えられます。

 


株式引換の仕組み(=新株発行)

KABU&では、ユーザーが保有する株式引換券を「新株」と交換する形で引き換えが行われます。ここで重要なのは、新株が発行されるにもかかわらず、会社には新たな資金が入らない点です。

例えば、会社の事業価値が100円で、発行済株式数が10株なら、1株あたりの価値は10円です。しかし、株式引換で新たに90株を追加発行しても資金が入らないため、事業価値は変わらず100円のまま。結果、1株の価値は1円に下がります。


三者機関による株価評価

先日、第一回目の株式引換時に発表された株価は「3円」でした。当初の想定は「5円」だったため、やや低めの評価です。

この評価は、KABU&の売上から運営費・初期投資・税金などを差し引いた「純利益」に基づいています。つまり、ユーザーが受け取る株式引換券の価値は、最終的には各ユーザーが自分で利用するサービスによって生まれる“利益”に近づいていくことになります(現時点では設立時の資本金による底上げも含まれます)。

要するに、このモデルを続ける限り、純資産ベースでの評価では株価は上がりづらくなっていくわけです。理由はシンプルで、「純資産が増えても、それに応じて株式も発行される」ためです。


ポジティブな視点も

もちろん、「自分が払ったKABU&が得る仲介料が株式という形で自分に返ってくる」と考えると、利用者にとってのメリットも大きいです。ただし、これらの株式は現金化が容易ではない点には注意が必要です。

上場後は法的制約などにより、株式引換券の配布は難しくなる可能性が高いと想定します。
これにより新株発行がなくなる一方、一定のユーザーが継続利用することで、事業価値の上昇が見込まれ、株価上昇余地が生まれます。
一方で、このビジネスモデル自体の継続性に疑問が残ります。


今後の展望:KABU&はどう変わるべきか?

株価を健全に成長させるには、次のような施策が必要と考えられます:

  • 株式発行数を抑制する

  • サービス価格を引き上げる

  • 株引換のない新規事業を展開する

現実的には、既存事業の利用拡大に伴って収益が増えても、その分株式引換も増えるため、株価が上昇するには限界があります。たとえば、株式引換券を現在の評価額でサービスに利用できる仕組みを導入すれば、発行数の抑制と利用者満足度の両立が図れるかもしれません。


おわりに

現行のビジネスモデルは非常にユニークであり、短期的には魅力的な制度だといえるでしょう。一方で、株式価値の持続的な成長には構造的な課題も内在しています。

今後、KABU&がどのようにこの仕組みを進化させていくのか、引き続き注目していきたいと思います。